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教室通信『彩色12月号より』

問題解決力を育てる

受験当日、会場にて、教科は数学。
「残り時間10分。前半の問題で時間をとられすぎた。まだ大問が2問残っている」
 さて、この後どう問題と向き合っていけばいいのか?
 いくつか方法が考えられます。
① 残りの問題全てを解答しようとする。
② 残りの大問のうち得意(解けそう)な方だけ解答する。
③ 残りの大問の最初の問題(基本知識と基本処理で解ける問題)だけ解答する。
④ 残りの問題には手を出さず、ミスが無いかすでに解いた問題を見直す。
こんな対応が考えられます。正解はどれでしょう?
 4つのどれもが正解になりうるし、どれもが適切で無いとも言えます。例えば、①、数学で高得点を取ることが合格へのカギとなる生徒。つまり数学を得意とする生徒にとっては、残りの時間をかけて全問にあたるべきであると言えます。逆に数学はあまり得意ではなく、足をひっぱらない得点を取ることが必要な場合は、④が適切であると言えます。②であれば、ある分野、例えば図形問題は確実にとける受験生で、残りの問題のいずれかが図形問題である場合はそこに時間をかけるべきです。③は、数学は得意では無いけれども、基本的な知識が定着している受験生にとって適切な対応であると言えます。
こうしたことは、他の教科にも通じることでもあります。受験生には、自己の的確な分析と当日のいわゆる極限の状況の中での適切な判断が要求されます。
 もちろん塾や学校などで、様々なケースへの対応の仕方を学ぶことでしょう。ただ、受験当日、問題用紙を目の前にした状態で、適切な対応を判断し行動に移すのは受験生本人でしかありません。あらゆる場面を想定し、誰かがマニュアル的なものを与えたとしても、受験生本人の意識の中に目の前に生じた問題を解決する能力が育っていなければ、適切な対応をとることは不可能です。
 ではどうすれば問題を解決する能力が育つのか?
 本人が、まず自分で考えるという姿勢でものごとと向き合う習慣を身につけさせてあげることです。保護者の方の中には、お子さんに「わからないことはきちんと先生に聞きなさい」と言われていることと思います。もちろんわからないことを聞くこと、それはそれでいいことです。ですが、「わからない→聞く」の間に、一瞬でも時間を置くことが大切です。その一瞬、自分で解決の道を探ってみる、これが出来るか出来ないかが、問題を解決する習慣を身につけられるか否かの分岐点となります。
 一瞬の間を持てるようになるために、勉強であれば、「もう一度問題をよく読んでみれば」、「ノートに書いてあるはずだから確認してごらん」、「辞書に意味がのっているはず」といった言葉をかけ、問題を解決する行動のヒントを示してあげることです。最短ルートの正解を教えることでは、問題を解決する力は身につきません。
 これはレゴ教育においても同じです。子どもの想像と創造する力は、誰かに教わって身につくものではなく、限りなく自分で作り出していくものです。大人ができることは、考えることを継続できるよう子どもの動機を高めることです。もちろん技術指導も必要です。ですが、それが主たる役割ではありません。想像→創造の過程でぶつかる、様々なことを乗り越える中で問題を解決する力が育っていきます。
 2014年も稲進会、まなびの広場共に、子どもの本来持つ能力を、引き出すというより、「自然と湧き上がる場」、そんな教室でありたいと思っています。

                                      奥松

<追記>
『プロフェッショナル』(NHK)で、イチロー選手が「つらい経験が自分の支えとなる」という発言をされていました。成功体験も大切。教室でたくさんの成功体験をしてもらいたいです。同時に、挫折感、焦燥感も同等か、より以上に大切な経験だと思っています。指導者は、しっかりと生徒を見守りながら、つらいと思える経験と向き合えるような場面を提供することもまた重要な役割であると思っています。







 NPO法人子ども自立支援の会発行










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